10. 地震と災害:断層とプレートテクトニクスからの視点

地学概論A 第10回 地震 復習問題.pdf
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地学概論A 地震_配布資料 カラー.pdf
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地学概論A 地震_配布資料 グレースケール.pdf
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↓第四紀の旧式の定義を使っていますので、そこだけ注意。正しくは約260万年前からが第四紀です。


 中学の理科で習う震源は、上の図のように点で表されますが(火薬の爆発などによる地震の震源も点で表すことが出来ますが)、実際の震源は断層面上である一定の大きさを持つ面で表すことが出来ます。これを「震源域」と呼び、断層面の一部(上図で震源の周辺の面:その面積は地震の規模が大きいほど広い)に相当します。この震源を点(震源)と見なすか、面(震源域)と見なすか、が地震のマグニチュードの計算(後述)に大きな影響を及ぼします。震源域の定義については、NHK Eテレ 高校講座 地学基礎「  第22回 第3編 地球 地震のメカニズム 」の最初の方で紹介されています。下の動画の野島断層は震源域の絶好例ですが、この野島断層も番組に登場します。


 活断層、地表地震断層などの例は、NHK Eテレ 高校講座・地学基礎「 第24回 第3編 地球 活断層  」で解りやすく紹介されています。特に、活断層に対して自治体のすべき事、問題点、課題に関して考えさせてくれる内容になっています。


 P波とS波というと、我々がたまに体感する地震の揺れと関連付けて学ぶ事が多いですが、それ以外にもP波・S波の観測・研究のもたらした大成果があります。P波・S波というのは、大地震の場合や地下での核実験の場合など、地球規模でも伝わる事が知られていたのですが、これらP波・S波の伝わり方を調べる事によって、上の図のような(今では常識となった)地球の内部構造(地殻・マントル・外部コア・内部コアの構造と大きさ)が解明されたのです。後期の地学概論Bで詳しく学びますが、知りたい方は、NHK Eテレ 高校講座・地学基礎 「 第19回 第3編 地球 地球の構造 」をご覧になる事をお勧めします。


 液状化については以下のビデオを参照。3.11の地震の際に、海浜幕張の公園が液状化し、割れ目から水分を含んだ砂が噴出している様子をアメリカ人が撮影してYoutubeにアップし、BBCのドキュメンタリーにも引用され、当時話題となりました。地震で液状化が発生すると 地盤が たちまち 弱くなる原理は、花崗岩の風化の所で学んだ、「ボールベアリング効果」によるものです。


 原発周辺の活断層の存在が原発の安全性、再稼働の決定に大きな鍵を握っていますので、3.11の震災以来、活断層の調査に対する報道も多く、国民の関心が高まっているのは皆さんご存知の通りです。この活断層、トレンチ調査によって行われるのですが、実はそんなに簡単な物ではありません。以下のビデオをご覧になると良く解ります。


 以下の2つのビデオでは、2011年3.11の東日本大震災の前の前兆(前震)から余震までを見事に表現しています。


 眉唾的で かなり単純化されている部分もありますが、NHK E テレ 高校講座・地学基礎「 第23回 第3編 地球 海溝で発生する地震  」で 海溝型地震と内陸の(活断層による)地震との違いや、南海トラフの連動型地震の各部位(区画・セグメント)についての説明が登場します。特に、1946年に南海トラフの中央部(四国沖)で起きた 昭和南海地震により、高知市が殆ど水没してしまった写真には驚きです。これは津波による水没ではなく、地震によって土地が数メートル沈降してしまったために、市街地が海面下に沈んでしまったという、恐ろしい話です。津波だけじゃないんですよ、地震に伴う大規模な水害って。そこから高知市を再建した地元の皆さんの努力も凄い!

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