地球科学英語

English and Communication Skills for Earth Scientists

第2~4回:Power Reading (効果的な拾い読みで読解力とスピードUp)

 

 

読書 や 文章執筆 によって 脳が活性化し、脳力がアップする事が最近になってますます注目されています。子供の学力アップや高齢者の認知症などの予防だけでなく、大学生など若年層、中高年でも効果があり、学習能力や論理力、コミュニケーション脳力も大幅にアップします。日本語であろうと、それ以外の母国語だろうと、あるいは英語のような外国語でもOKです。外国語を勉強した方が脳は明らかに鍛えられますが、ここでは日本語・英語など、多言語を含めたリーディング(Reading)とライティング(Writing)を考えてみましょう。

 

これらの2つのうち、脳力を使い、脳が更に鍛えられるはWritingです。Readingは受け身ですが、Writingは能動的・主体的であり、何よりも論理力が要求されます(若いうちや経験が浅いと、語彙力も必要ですが)。そして書く内容についてのアイデアも要求されます。皆さんがレポートを書くのがしんどい、と思うのは(そして卒論を書くのはもっとしんどいでしょうが)、その典型例です。これについては、この授業で12月にマインドマップを使ってアイデアを創出・整理してまとめる方法、ライティングの基礎(骨組み)を学び、来年初めには論理展開の手法を学びますので、少しずつ確実に身に付けてください。また、論理の基礎(三段論法、演繹法、帰納法など)については、来月プレゼンの講義の際に一緒に学びます)。

 

 

一方、Readingに関していうと、特に母国語に関して言えば、いつでもどこでも出来るわけです。本の好きな人は電車の中、待ち時間など、隙間時間を上手く使って読書をしていますね。そうやってReadingをする人としない人の間には読解力の差が大きく開いてしまうのだと思いますが、今からでもあきらめる事はありません!最近は電子書籍も普及し、スマートフォンでもReadingが出来る時代です。まずは好きな雑誌・小説で良いので、(マンガ・アニメ・ビデオ・ゲームだけでなく)活字を毎日(少しずつ初めてOKですので)読む習慣をつける事が大事だと思います。そうやって新聞も毎日楽に読めるようになれば、就活にも強くなります。

 

 

とはいえ、このReading, 昨今の情報過多、皆さんの場合は授業科目の多さを含めると、ちょっとしんどいと思う方も居るでしょう。しかも英語などの外国語だと「時間がかかる」「辞書を使うのが面倒」という人や、中には「読んでもどうせ解らない」とあきらめている方、英語アレルギーの方も居るのではないでしょうか。

 

そこで、地球科学英語の第二部では、日本語・英語など、言語の種類に関係なく、効率的に文書を理解する方法を伝授いたします。ただし、この授業は地球科学「英語」の授業ですので、英語を中心に(日本語とも比較しながら)見ていきましょう。「伝授」と、ちょっと大それた事を言いましたが、私がこの授業で教える事は、英米の学生からすると(中高生でも、大学の学部生でも)当たり前の事。実は我々も日本語で新聞・雑誌を読むときに、同じことをして、情報に溺れることなく、必要な情報を毎日取捨選択しているのです。ただし、こういった事を手法として次々と体系化されているのが多民族・多文化との意思疎通の更なる効率化を目指す英語圏の文化です(残念ですが、誰もまだやろうとしないのか、日本ではまだ、そこまで体系化されていません)。そこで、まず英語の場合を見てみましょう。

 

 

「英文の重要なメッセージは決まった所に隠されている」というのが、リーディングの上手い Native English Speakerの常識です。これを体系化したのが上記のテキストで、全米でベストセラーとなった、「Power Reading」(Rick Ostrov著)です。

 

英語を母国語とする人たちよりも、アメリカへの留学生(アジア系など、英語を母国語をしない人たち)の間で、「山のような教科書・参考書・論文を読破する効率良い方法」として広まった感があります。Native English Speakers にも効果が絶大で、このリーディング法を10年位前にテキサス大学オースティン校(全米最大の大学。地球科学でも研究者数・予算・学生数ともに全米トップ)の大学教授(文系から理系まで)を対象に行ったところ、彼らのリーディング(読解)力もスピードも経った数時間のレッスンで平均で8割もアップしたため、CNNなどテレビ・雑誌で取り上げられて、有名になりました。他の著者から類似書(猿真似、Copycat)も多数出版されましたが、上記のオリジナルの本の方がしっかりしています。

 

それでは、Power Reading に代表される英文の構成法と日本語との関係について考えてみましょう。 

 

「重要なメッセージは決まった所に書いてある」というのは、新聞などのメディアだとどの言語でも同じですが(例えば見出し、タイトル、最初のパラグラフですね)、ここ10年位、日本でも大企業のプレゼン、企画書、上位ランクの大学の学生さん(卒論・学会発表など)を含めて大分定着してきました。例えば、数年前に流行ってドラマ化もされた受験マンガ「ドラゴン桜」の桜木先生は、高校の教職員全員にリストラ免除者の選考のため 小論文の試験を課し、試験終了後の2~3分で教職員全員の前で採点を終わらせ、結果を発表します。採点のあまりの短さに驚いた職員たちに、桜木先生は

 

「小論文の良し悪しは、最初の2行を読めば十分!」

 

と言ってのけるのですが、これは明らかに英語文化や報道・企画書(そして就職試験)の文化から来ており、私も桜木先生のこのコメント、かなり当たっていると思います(最初がうまく書けていないと、最後まで読んでも解らない事が殆どですし、どの論文・エッセーにしろ、読み手も最後まで集中してきちんと読まない・読めない場合が殆どです)。

 

ドラゴン桜(1) (モーニングKC (909))
クリエーター情報なし
講談社

 

また、Power Reading のリーディングの法則(重要な個所は冒頭など、決まった所に書いてある)を逆に使えば、ライティングが、英語だろうと日本語だろうと簡単に効率よく書けるようになり、相手を説得する力がかなりアップします。それを示したのがドラゴン桜の桜木先生の上記のエピソードなのです。この例は字数制限のある短い小論文の例ですが、同じ法則を使い、レポートだけでなく、論文どころか本や小説までも書けてしまう方法があります。それが Snowflake 法 と呼ばれる方法です。

 

 

この方法、アメリカの物理学者で、SF作家でもある Randy Ingermanson さんが体系化した方法ですが、アメリカの小説家・作家・ライターさんや、映画関係者(シナリオライター・脚本家・映画監督)の間で数年前に爆発的に広まりました。上のYoutubeのビデオの中でも絶賛されています。

 

英語ですが、Randy さんの以下のサイトにこの手法がまとめてあります。

 

http://www.advancedfictionwriting.com/art/snowflake.php

 

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